労務管理のススメ PERSONNEL MANAGEMENT

9-3 パートタイマーへの雇止通知

1年契約のパートタイマーが休みがちなので、更新を止めようと考えた場合、期間満了になるのだからこのまま何も言わないで、退職をしてもらうことは可能と考えて問題ないのでしょうか。

契約時に更新の有無について明示がない場合、社員は更新されるかどうか疑心暗鬼になってしまい心配です。更新を約束していないので、会社にしてみれば非常に都合のよい契約の仕方なのでしょうが、法令はこうしたケースに制限を設けています。

労働基準法では、有期雇用契約は最長で3年となっています。その際、ぴったり3年あるいは1年等の期間終了で何の予告もなく、契約を終了させても問題はないかどうかです。
通達では、あらかじめ更新しないことを明示している場合を除いて、有期で1年を超えて継続雇用されている契約を終了するには30日前に予告するように規定しています。
したがって、今回のケースでは雇止予告の義務はありませんが、しておいた方が無難なことには変わりません。また、半年等の短期間の契約でも、1回以上更新しているのならば、期待権が発生していますから、通常の解雇手続きと同様に、30日前の予告と正当な理由が必要です。

この例では「休みがち」というのが、正当な理由に入るかどうか微妙です。契約締結にあたっては、

  1. 更新の有無
  2. 更新の判断基準(更新時の業務量、勤務成績、能力、経営状況、業務の進捗)

を明らかにする必要があります。なお、雇い止めにされた社員から請求があればその理由を文書で交付しなければなりません。
ともあれ、更新の有無にかかわらず、雇い止めをするならば、30日前に予告する手順を踏むことです。 更新しない期間満了のパートタイマーの雇止には原則的に正当な理由と予告手続きが必要です。また、雇用契約の際には更新の有無やその基準を明記しておきましょう。