退職金も広い意味での賃金です。人事制度の改定を行なう際には、退職金制度も合わせて見直しをすべきです。
退職金の算定が「退職時の基本給×支給係数」という基本給連動型の退職金制度の場合は、特に重要な意味を持ちます。
なぜなら、基本給を見直しすることによって、退職金の支給水準に大きな影響を与えることになるからです。
逆をいうと、退職金への跳ね返りを考慮しながらでは、基本給の抜本的な見直しもできないことになりかねません。
原則的には、基本給と退職金は切り離すべきです。
退職金には3つの意味がありますが、功労報償にウェイトを置いた制度への移行が望ましいといえます。
●功労報奨説 | 会社への貢献度合いや実績に応じて受け取るもの |
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●賃金後払い説 | 月例給与や賞与の後払いとして受け取るもの |
●老後の生活保障説 | 老後の生活保障として受け取るもの |
退職金制度の見直しを行なう際には、3つの視点を考慮して、企業のスタンスを決定します。
なお、地域別の退職金の水準については、中小企業家同友会、商工会議所などの調査結果が参考になります。