人事賃金制度のススメ SALARY SYSTEM

1-6 等級分析で責任と処遇の乖離度合を把握する

職能資格制度では、ポスト不足と役職不足に対応し、社員のモチベーションを維持するための方策として、役職と等級の分離を行いました。その結果、役職は上がらないが、等級は上がるというシステムが出来上がりました。

したがって、等級の数はかなり多くなり、10等級以上の等級フレームとなった企業も数多く見られます。等級数が多くなったため、等級間の定義の違いが不明確になり、昇格の運用が年功的にならざるを得ないといった弊害がもたらされました。

これからの人事制度は、経営と人事を密接に連動させ、経営人事を実現しなくてはなりません。そのためには、等級と担当すべき職務(役職者においては役割)、そして等級と役職を一対で考えていく必要があります。

このような視点で、現在の等級制度を点検し、「等級数」「等級定義」「役職との連動性」について見直しを行ってください。
必然的に等級数は減り、シンプルな社員階層が出来上がるはずです。