今月号にて、前回お知らせをさせていただいた‘名古屋シティマラソン’の結果をお届けする予定でしたが、大会よりも前に原稿締切日が来てしまったためまだ珍道中をお届けすることができませんでした・・。
来月号を、乞うご期待いただけたらとおもいます。三寒四温をかさねて、そろそろ出会いと別れの春も間近です。年度末を、そつなく乗り切りたいとおもいます。
1.信頼失墜による解雇
上長のパソコンから、データを不正取得! ~信頼関係を失わせる行為で、解雇は有効~
→ 自治労共済の島根県支部にて、同支部・自治労共済本部の対応に不満をもった嘱託職員の男性が、‘問題があるのに改善の姿勢を示さない’として事務局長のパソコンからデータをコピーし、監督官庁の厚生労働省へ通報を行いました。
→ 同支部は、データ取得を就業規則上の服務規律違反であるとして即日解雇を行い、これを不服とした男性が裁判を起こした事案です。
→ 一審の松江地裁では、データ取得の目的が行政機関等への通報であるため、違法性は減殺されるとし、解雇は無効としました。
→ 反面、二審の広島高裁では、通報の時点で問題はほぼ解決しておりデータ取得の必要性はなく、また関係のないデータも取得しているという点から、公益通報(※)目的でのデータ取得とはいえず、信頼関係を失わさせる不当な行為で、合理的・社会的相当性があり解雇は有効としました。データ取得の必要性の部分で、判断が分かれました。
※公益通報ってなに??
犯罪等を会社他へ通報する際、目的・事実・通報先等、要件を満たせば、解雇の無効等、通報をした者が保護される制度
2.業務改善助成金
中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金 ~愛知県も、対象地域に追加!~
→ ‘地域別最低賃金の引き上げによって大きな影響を受ける地域’の中小企業の支援を目的とした助成金で、補正予算の成立により愛知県も対象地域に追加されました。最低時給が800円未満の事業所(※愛知県の最低賃金は、780円です)で活用することができます。
【おもな要件】
- 最低時給を800円以上(4年以内)に引き上げる
- 就業規則の作成・改定、賃金制度の整備、労働能率の増進に資する設備・器具の導入、研修等(合計10万以上)
※以下に該当しないこと※
- 申請3ヶ月前から助成事業実施年度末日までの解雇(本人有責除く)、対象労働者以外の賃金の引き下げ
- 消費税、法人税、所得税等の未納
【支給額】
- かかった経費の1/2(上限100万)
【対象になる経費の例】
- 就業規則の作成・改定、賃金制度整備
→規程の作成、改定のための社会保険労務士費用 - 能率の増進に資する設備、機器の導入・研修
→店舗改装、機器購入・操作研修費用等
今月のトピックス
- 介護保険料率、引き上げ!(H26.3~)~
介護保険料がアップすることになりました(本人負担:0.775%→0.86%へ)。健康保険料についてはこれまで通りですが、‘基本保険料率’と‘特定保健料率’の内訳は変更となっていますので、別々に表示をさせている場合はご注意ください。
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産前産後休業中も保険料免除!(手厚く改正)~
育児休業期間中だけではなく、産前産後休業期間中も社会保険料が免除されることになりました(H26.4.30以降終了の産前産後から)。
また、復帰して給料が下がった場合も育休明け同様、標準報酬月額の変更が可能になります(H26.4.1以降終了の産前産後から)。