事務所通信 REPORT

事務所通信平成26年12月号

今年も残すところあとわずかとなりました。みなさん、年末にむけて慌ただしくされている頃かとおもいます。弊社も、年賀状の準備や大掃除の担当割でてんてこ舞いになっています。年末年始は、12/30(火)~1/4(日)まで休業とさせていただきます。今年も1年、お世話になり誠にありがとうございました。温かくされて、よい年をお迎えください。

1.所得税の配偶者控除

所得税の配偶者控除みなおし?《案》~女性の働き方の選択に対して(第一次レポート)~

→政府の税制調査会は、社会・経済状況の構造変化をふまえ、女性の働き方の選択に対して中立な税制を構築すべく、所得税の配偶者控除の見直しについて議論を開始しました。

→現状、年103万円(給与収入のみの場合)までは所得税が発生しない、いわゆる‘扶養の範囲内’という枠があります。‘扶養の範囲内’の場合、配偶者の所得税が発生しない点ともう一つ、納税者本人の所得税も安くなるというメリットがあります。この点につき、「二重の控除ではないか」「片働きを一方的に優遇しているのではないか」という意見が出ており、これを解消すべく、以下の案が出されています。

【新制度の案】

  1. ①配偶者控除の廃止・納税者の所得に応じた制限
  2. ②配偶者控除のかわりに、控除しきれなかった分を納税者者本人へ移転
  3. ③配偶者控除のかわりに、夫婦世帯でみた新たな控除創設
       ※いずれの案でも‘子育て支援’も加味されます。

→もし配偶者控除が廃止されると、税の負担増はもちろんのこと、働く時間を抑制する扶養制限の一つがなくなり、女性の、ひいては家族全体の働き方に影響を及ぼすことになりそうです。今後の動向が注目されます。

2.労働契約法の特例

有期5年→無期への転換の例外!~高度専門的知識等、定年後の継続雇用者~

→ 労働契約法が改正され、平成25年4月から有期の契約が更新されて通算5年を超えた場合、労働者が申込みをすれば有期→無期へ転換されるというルールができました。(1年単位の契約の場合、最短で平成31年の4月から無期契約に)

→ このルールに、対象外となる特例が創設されました。

【特例の対象者】

  1. ①‘5年を超える一定の期間内に完了することが予定されている業務’につく高度専門的知識等を有する有期の労働者
  2. 定年後に有期で継続雇用される高齢者

【どんな特例?】

以下の期間中、無期転換申込権が発生せず(有期のまま)

  1.     ①その業務に従事する期間(上限10年)
  2.     ②定年(60才以上)後雇用されている期間

【注意点】

計画を作成し、厚生労働大臣の認定を受けることが必要

  1.     ①有給教育訓練休暇付与の措置等
  2.     ②配置、職務、職場環境への配慮措置等

→厚生労働大臣の認定を受けなければならないため、注意が必要です。

→平成27年4月から施行されます。

今月のトピックス

  • 児童扶養手当改正!~年金との併給が可能に(H26.12~)~
    公的年金を受けていると受けられなかった児童扶養手当が、年金の額が低い場合には差額を受けられるようになりました。市区町村への申請が必要なためご注意ください。
  • ‘被扶養配偶者非該当届’の新設!~第3号の届出(H26.12~)~
    年金記録の不整合問題を受けて、第3号→第1号への切替え漏れをなくすため、①収入超過、②離婚の場合に届出が必要になりました(政管健保の場合はこれまで通り不要)。