事務所通信 REPORT

事務所通信平成26年11月号

毎年クリスマスの時期になると、名古屋駅前のミッドランドスクエアの壁面にイルミネーションのクリスマスツリーやトナカイが登場して、イベント気分を盛り上げてくれます。今年はこれに先がけて、現在ポートメッセナゴヤで開催中の‘メッセナゴヤ’の文字が浮かびあがっています。夕暮れの弊社のベランダから確認できますので、ぜひあそびにいらしてください。

1.通勤手当

マイカー等通勤の非課税限度額アップ!~H26.10.20から(H26.4.1に遡って変更!)~

マイカー(自動車・自転車等)通勤時に、非課税となる上限額が拡大されました。

【非課税限度額】

片道距離非課税上限
2㎞以上10km未満4,100円→4,200円
10km以上15km未満6,500円→7,100円
15km以上25km未満11,300円→12,900円
25km以上35km未満16,100円→18,700円
35km以上45km未満20,900円→24,400円
45km以上55km未満24,500円→28,000円
55km以上24,500円→31,600円

H26.10.20からの変更ですが、H26.4.1以降支給分に遡って適用となるため、今年の4月~10月分の非課税額についても調整が必要になります。なお、退職者についても、該当者へ源泉徴収票の再交付が必要となります。

→規定上、通勤手当の支給額を、「所得税法上の非課税金額」としている場合には、注意が必要(上限が上がったため)です。

→電車・バス等通勤の際の上限(定期券代等。上限10万円)は、これまで通り変更ありません。

※国税庁https://www.nta.go.jp/gensen/tsukin/index.htm

2.アスベスト訴訟

石綿肺、肺がん、中皮腫等石綿関連の疾病!~国の責任を認める初の判断:最高裁H26.10.9~

→ 大阪府泉南地域の石綿工場で、石綿製品の製造・運搬等作業に従事したことによって、石綿肺、肺がん、中皮腫等の石綿関連疾病にり患したとして、元従業員等が国を相手に起こした訴訟について、最高裁が(一部)国の責任を認める初の判断を下しました。

→ 内容をみると、「石綿肺の医学的知見が確立した昭和33年頃以降、工場に局所排気装置を設置することの義務付けが可能となった段階で、できる限り速やかに、・・省令制定権限を適切に行使し、罰則をもって上記の義務付けを行って普及を図るべきであった」として、国が、被害防止のための義務付けをしなかった点が違法とされました。

→ これを受けて、国は、原告に対して損害賠償金の支払いに関する和解の申し入れを行うこととしました。

※今回の訴訟は、国家賠償法に基づくに対する請求ですが、この他にも地裁・高裁レベルでは、電気工の男性が中皮腫で死亡した事案で、アスベスト対策を怠ったとして元請の責任を認定しています。元請側としては、「電気工事のノウハウしか持ち合わせず、石綿の影響を認識できなかった」と主張したものの、裁判所は「新聞報道等に照らせば予見できた」として主張を退けています。今後もますます、‘知らなかった’では済まされない流れになっていきそうです。

今月のトピックス

  • 妊娠、軽易業務転換時の降格認めず!~最高裁H26.10.23~
    不利益取扱とならない場合について、‘本人の自由意思による承諾が認められる合理的な理由が存在’または‘業務上の必要性からの支障があり特段の事情があるとき’が必要に。
  • 教育訓練給付金制度、拡充!~H26.10.1から~
    雇用保険の教育訓練給付金が大幅に拡充されました。新たな給付金が創設されたり、対象となる講座の拡大(大学院等)がなされています。スキルアップの際はご活用ください。