霜月です。今年は夏の期間が長かったためか、例年よりもイチョウの色づきが遅めな感じがします。桜通りのイチョウ並木も、まだ青々としていて、もう11月だということに気づいていないような素振りを見せています。今年の冬も寒くなるようで、これから先、急な冷え込みも予想されます。体調管理に気を付けて、みなさん協力して、あわただしい年末を乗り切りましょう。
1.過重労働
●過重労働解消キャンペーン~STOP過重労働~
~実施期間:11/1~11/30まで~
→過労死等防止対策推進法に基づいて、毎年11月は過労死等防止啓発月間に指定されています。今年の取り組み内容は、以下の通りです。夜間の立ち入り調査も想定されています。
<H28キャンペーン概要>
●過重労働がある事業場などへの重点監督
①監督の対象とする事業場等
- a) 長時間労働にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場等
- b) 労働基準監督署、ハローワークへの相談等から、離職率が極端に高いなどの若者の‘使い捨て’が疑われる企業等(※是正が認められるまで、ハローワークでの職業紹介の対象外に。)
②重点的に確認するところ
- a) 時間外・休日労働が36協定の範囲内か
- b) 賃金不払残業がないか
- c) 不適切な労働時間管理がないか
- d) 長時間労働者への面接指導等、健康確保措置を指導
※重大・悪質な違反がある場合、送検・公表も
→長時間労働に伴って、精神疾患や過労死等が増加しています。人員の確保、シフトの管理が大切になってきそうです。
2.雇用保険適用拡大
●雇用保険の対象者拡大など! ~65歳以上も、雇用保険加入へ~
→来年の1/1から、雇用保険の制度変更があります(平成28年2月号参照)。中でも大きな変更点として、65歳以上の方への雇用保険適用拡大があります。
■雇用保険の変更(主なもの)
●65歳以上(高年齢被保険者)も雇用保険へ新規加入
- 雇用保険の加入要件(週20時間以上、31日以上雇用見込みあり)を満たす65歳以上の方は、以下のいずれかの形で届出を提出し、雇用保険に加入。
①1/1以降に入社
- →通常通り、翌月10日までに「資格取得届」を提出。
②12/31までに入社
- →3/31までに「資格取得届(1/1取得)」を提出。
※‘高年齢継続被保険者’に該当している方は届出不要。
※平成31年度(H42.3.31)までは保険料免除。
※失業時の給付は、これまで通り一時金で受給可。
●特定受給資格者の基準見直し(拡大)
- 妊娠・出産を理由とする不利益な取り扱いを受けた、育児・介護休業等の申出を拒否されたため離職
- 賃金不払が1度でもあった場合
→1/1から新たに雇用保険加入対象となる方(②)の、ピックアップが必要になります。
今月のトピックス
- 過労による精神疾患発症、30代がトップ!~厚生労働省研究班の調査~
うつ病などの精神疾患を発症し労災認定を受けた割合が、30代で3割超と、最も多かったようです。20代も含めると、男性約5割、女性約6割となり、若年層への対策が急がれます。
- 65歳以上人口、過去最高26.6%!~総務省の国勢調査(H27)~
65歳以上の割合が最高を記録したのと同時に、総人口も初の減少を記録したようです。労働分野でも、上記、雇用保険適用拡大や66歳以上継続雇用に対する助成等思案されています。