事務所通信 REPORT

事務所通信平成24年7月号

 7月に入ったものの、あいにくの雨模様が続いています。今年は平年並みではあるものの、昨年と比べると梅雨入りが遅く、その影響で梅雨明けも遅くなる見込みのようで す。せめて夏休みの始まる頃には、からっと晴れた夏空を臨みたいものです。温度だけではなく湿度も高くなっていますので、今年も熱中症対策、食中毒対策にはくれぐれもご注意ください。

 

胆管がんと労災

印刷業従事労働者、胆管がん発症!~大阪に続き、東京・宮城でも~

 大阪の校正印刷会社で働いていた元従業員が胆管がんを発症した問題(10名発症、6名死亡)で、厚生労働省が同社にて立ち入り検査をしました。今現在、発症の原因は解明されていませんが、洗浄の際に使用する溶剤と作業方法につき重点的に調査を行うこととしています。

 このような状況の中、厚生労働省より日本印刷産業連合会へ被害拡大を防止するため通知が出されました。

【印刷業における化学物質による健康障害防止対策について】
・事業所で使用しているインク、洗浄剤等について安全データシートによりその化学物質の成分を把握すること 他

 印刷業に限らず、有機溶剤を使用する企業のみなさんは、今後の動向に特にご注意ください。

精神障害と労災

‘精神障害’の労災請求件数、過去最高!~‘過労死’等、脳・心臓疾患も増加~

 うつ病などの‘精神障害’について、労災請求の件数が3年連続で過去最高となりました。業種別では①製造業、②卸・小売業、③医療福祉の順に、支給決定の多い出来事別では①仕事の内容・量に(大きな)変化があった、②悲惨な事故や災害の体験をした、③(ひどい)嫌がらせ、いじめ、暴行を受けたの順になっています。

 労災は、請求支給決定がされた後に給付が出るという流れになりますが、この支給決定の件数も過去最高となっています。昨年の12月に‘精神障害’の「労災認定基準」が策定され、基準がわかりやすくなりました。そのため、今後ますます審査の迅速化が図られ、伴って請求件数の増加が見込まれます。

 なお、厚生労働省は、障害者雇用率の算出基礎に精神障害者を含める方針を固めており、身体・知的のみならず精神障害者の雇用が義務化される見込みです。

今月のトピックス

  • 歳入庁の創設~徴収強化~
    政府は税と社会保険料の一元的な徴収にむけて、2018年以降速やかに「歳入庁」を創設することを発表しました。これに先駆けて、2015年前後に現在日本年金機構が行っている‘国民年金保険料’の徴収業務が国税庁に統合されます。今後は滞納者に対して、国税庁より督促がかかる形となります。
  • http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/syakaihosyou/5daijin/240612/siryou.pdf

  • 個人情報の適正な取扱い~横浜のハローワーク~
    横浜のハローワークで個人情報が漏えいされた事件を受けて、厚生労働省は各労働局に対し「ハローワークにおける個人情報の適正な取扱いの徹底」を周知、指示しました。非常勤を含む全職員が対象となっており、再発の防止が望まれます。
    ・アクセス権限の限定
    ・研修の強化
    ・アクセス記録のチェック、観察