事務所通信 REPORT

事務所通信平成23年8月号

寝苦しい夜が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。 帝国データバンクの調査によると、このたびの東日本大震災による企業の倒産件数は 阪神淡路大震災のおよそ2.5倍のペースで発生しているとのことです。愛知県も東海 地震の影響を受ける地域のため、日ごろから防災対策を行っておくことが大切です。

地方労働行政運営方針

厚生労働省が、‘平成23年度地方労働行政運営方針’を策定しました(平成23年5月31日)。課題としては、非正規社員の正社員化等、雇用・生活安定のための求職者支援、最低賃金の引き上げ、ワークライフバランス対策等が認識されており、重点施策として以下のものがあげられています。

重点施策(平成23年度)
(1)東日本大地震の被災者等に対する雇用・労働施策の実施
雇用保険の給付、雇用調整助成金の活用、就労支援や雇用創出等。
(2)総合労働行政機関として推進する重点施策
企業倒産、雇用調整時等、労働条件の確保や雇用の安定等を図 るための対応。職業訓練による再就職支援、ジョブカード制度等。
(3)労働基準行政の重点施策
長時間労働の抑制、賃金不払残業の防止のための監督指導、外国人労働者等の労働条件の確保。
最低賃金の周知徹底と引き上げにむけた中小企業への支援。年次有給休暇の取得促進、メンタル ヘルス、過重労働による健康障害防止、交通労働災害・機械災害等の労災多発分野における防止等。
(4)職業安定行政の重点施策
高年齢者雇用確保措置の未実施企業への指導・助言、障害者雇用率を満たしていない企業への指導。
悪質な違反を犯す、繰り返す派遣元・派遣先に対する行政処分、勧告・公表。雇用促進税制の創設等。
(5)雇用均等行政の重点施策
ポジティブアクションの促進、セクシャルハラスメント対策。改正育児・介護休業法の周知徹底。
(6)労働保険適用徴収業務の重点施策
労働保険未手続事業所一掃対策。
(7)個別労働紛争解決制度の積極的な運用
総合労働相談コーナーにおけるワンストップサービスの提供。

これらを受けて、各都道府県労働局は地域の実情に応じた計画を練り運営を行うことになります。不払残業、高齢者・障害者雇用に関する指導の声が強くなる見込みです。

今月のトピックス

  • 平成23年度最低賃金(地域別)、委員見解確定!
    中央最低賃金審議会において、今年度の最低賃金の目安額が話し合 われました。今年度は被災地の状況、生活保護の金額との兼ね合いが 考慮された形となっており、引き上げ額の全国加重平均は6円です。 改定時期は、今年の10月以降になります。