事務所通信 REPORT

事務所通信令和3年10月号

きんもくせいの香りが、鼻先をかすめる季節になりました。私の通勤路にもきんもくせいの 木があって、ふわっと香るこの頃になると秋の訪れを感じます。とはいえ今年は、10月なのに日中は真夏日の日が続いていて、衣替えも難しい気候です。今月は、10/11(月)がオリンピックの影響で祝日ではなく平日になります。間違って休んでしまわないように注意しましょう。

1.労災保険

●脳・心臓疾患の労災認定基準、改正~
~20年ぶりの改正!~

→脳出血や脳梗塞等の脳血管疾患、心筋梗塞や重篤な心不全等の心臓疾患について、労災認定の基準が改正されました。

【認定要件】a,b,cのいずれかの過重負荷により発症

a)発症前の長期間にわたって、著しい疲労の蓄積をもたらす特に過重な業務(長期間の過重業務)に従事

→労働時間だけではなく、労働時間以外(勤務間インターバルが短い、休日のない連続勤務、移動を伴う業務等)の負荷も含めて総合的に評価することに。

b)発症に近接した時期において、特に過重な業務(短期間の過重業務)に従事

→発症前おおむね1週間継続して深夜時間帯におよぶ時間外労働を行った等、過度の長時間労働がある場合は発症との関連性強等、具体的に例示

c)発症直前から前日までの間において、発生状態を時間的、場所的に明確にし得る異常な出来事に遭遇

→業務に関連した重大な人身・重大事故に直接関与した場合は発症との関連性強等、具体的に例示

→これまでの認定基準(発症前1ヶ月に100時間、または2~6ヶ月平均で月80時間超の時間外労働等)はそのまま、→以降が追加され労災と認められる範囲が広くなりました。

2.雇用保険

●複数社勤務のシニア層、雇用保険加入可能に!
~マルチジョブホルダー制度とは?~

→R4.1.1からスタートするマルチジョブホルダー制度について見ていきたいと思います。マルチジョブホルダー制度とは、複数の会社で働く65歳以上の方が以下の要件に該当すると、1つの会社では要件を満たさなくても雇用保険に加入(=マルチ高年齢被保険者)することができるという制度です。

【マルチジョブホルダー制度】

(加入要件)

  • 65歳以上(初めて加入時のみ、加入は任意
  • 2つの会社の労働時間(それぞれ週5時間以上20時間未満)を合算して、週20時間以上ある
    ※3つ以上ある場合は、本人がそのうち2つを選択
  • それぞれの会社で雇用見込みが31日以上ある
  • (詳細)

  • 加入日:ハローワークへ届出をした日
  • 保険料:通常通り、総額に雇用保険料率をかけて控除
  • 失業給付:1つのみの退職でも受給可(6ヶ月以上の被保険者期間等高年齢被保険者と同じ要件。ただし、3つ目の会社をあわせて週20時間以上の場合は資格継続。)
  • 喪失:加入は任意だが、要件に該当(2つあわせて20時間以上)する限り喪失は不可
  • →取得・喪失手続きは本人が行う(事業主は証明のみ)。

    今月のトピックス

    • 雇用調整助成金、算定方法変更!~歩合給がある場合~
      R3.9.1以降の休業から、歩合給が含まれている場合の休業手当支払率の計算式が変わります。平均値をとる形です。
      https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000821251.pdf