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トラブルを未然に防ぐ労務管理のススメ

1 就業規則

1-1 就業規則の法的注意ポイントH24.9現在

1. 守るべきルールと社員の権利を明確にする

就業規則を単に労働基準法で定められているからといって形だけ制定している会社は大きな損失を抱えています。就業規則には、社員が守るべき数多くの服務規律などいわゆる会社の憲法が記載されています。この憲法を定めて周知徹底していないということは、そのルールに沿った仕事ができていないということになります。優秀な社員が採用できない、定着しない。企業文化が育たない、仕事にメリハリがない。そのような会社にとっての損失は、ほとんどが就業規則の周知徹底のないルール無視の企業風土に原因があります。

また、そのルールを守ることにより社員も守られる権利が存在します。その権利は労働基準法に定められたもので多岐にわたり絶えず法改正されています。つど注意を払って整備をしなければ社員の権利を侵害し法令違反の処罰を受けてしまいます。
そのような会社を守り、社員を育てる意味で、就業規則を作成すべきです。労基法では社員10人以上となったときに作成し、労働基準監督署に届けるよう義務づけられています。

根拠条文〜労基法第89条

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次にかがける事項について就業規則を作成し、行政官庁に届出なければならない。次にかがげる事項を変更したい場合においても、同様とする。

2. 事業所や支社ごとの作成を漏らさない

働く人がひとりでもいれば、「適用事業」として労働基準法が適用される事業場となります。事業の種類は問わず、法人、個人事業場をはじめ、営利を目的としない社会事業団体や宗教団体なども含まれます。
さらに、適用されるのは企業単位ではなく、あくまでも働くひとがいる事業場が単位となります。そのため、本社以外に常時10人以上社員がいる工場や営業所では、その事業場ごとに就業規則を作成し、管轄する労働基準監督署長に届出なければなりません。
また、作成義務があるのは社長ばかりではありません。個人であれば個人事業主、会社の場合は社長や取締役、管理監督者などが該当します。それらの方は、労基法違反した場合はいずれの方も処罰の対象となります。また、労基法は両罰規程のため、たとえば管理者の方が労基法違反をした場合は、個人事業主や法人に対しても処罰が適用されます。

3. 就業規則に必ず記載しておかなければならないこと

記載内容は、何でも勝手に定めていいというわけではありません。

  • 必ず記載しなければならないもの(絶対的必要記載事項)
  • 会社に定めがあれば記載するもの(相対的必要記載事項)
  • 自由に記載できるもの(任意的記載事項)

以上のように、記載する内容は3つに分けられています。どのような内容を記載しなければならないかを簡単に確認しておきましょう。

就業規則に記載すべき事項 = 絶対的必要記載事項 + 相対的必要記載事項

1. 絶対的必要記載事項(労働基準法第89条)

就業規則には必ず記載しなければならないのは、労働条件の中でも特に重要な内容です。ひとつでも漏れがあった場合は、労基署は受理しないので、見落としのないよう作成することが必要です。

  1. 1始業および終業の時刻
  2. 2休憩時間
  3. 3休日
  4. 4休暇
  5. 5賃金
  6. 6退職に関する事項

2. 相対的必要記載事項

定めをする場合には必ず就業規則に記載しなければならない。

  1. 1退職金が適用される社員の範囲
  2. 2退職金の決定、計算および支払方法
  3. 3退職金の支払時期に関する事項
  4. 4臨時の賃金等(退職金を除く)および最低賃金に関する事項
  5. 5社員の食費、作業用品その他の負担に関する事項
  6. 6安全および衛生に関する事項
  7. 7職業訓練に関する事項
  8. 8災害補償および業務外の傷病扶助に関する事項
  9. 9表彰および制裁の種類および程度に関する事項
  10. 10その他、当該事業場の全社員に適用される定めに関する事項

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